【読書記録】著書「82年生まれ、キム・ジヨン」で考える国際女性デー
3月8日、国際女性デー
1904年の婦人参政権を要求するデモをきっかけに、1910年の国際社会主義者会議で「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念の日とするよう提唱。
その後、国連は1975年の国際婦人年において、3月8日を「国際女性デー」と制定しました。
そんな、女性について考えるきっかけになる日に読んで欲しい本が「82年生まれ、キム・ジヨン」です。
82年生まれ、キム・ジヨン (単行本) [ チョ・ナムジュ ]
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先述のデモだけでなく、男女雇用機会均等法や育児休業法の制定など、女性の地位を確立するための様々な運動や法律の制定が行われてきました。
そのおかげで、女性の参政権獲得や労働市場への参入、育休などの福利厚生の充実などが進み、女性の地位や働きやすさが向上しています。
しかし、そのような社会の動きに慣習や規範が追いついておらず、制度があっても取得しづらい雰囲気や、「○○すべき」(女性は結婚後仕事より子育てをすべき、など)という規範があり、それらが女性を苦しめています。
社会の動きによる女性の地位の変化により、女性の苦悩も変化していきます。この本では、祖母、母、そして娘のキム・ジヨンそれぞれの時代の女性の苦悩が描かれています。
ジェンダーを学んでいない人、何が女性差別にあたるか分からない人でも、この本を読めばジェンダー(特に女性運動)の歴史を学べ、何が女性を苦しめているのかを知ることができます。
女性に多様な選択肢を与え、規範に縛られず自由に生きることができる社会にする。
そのために、女性は声を上げ、男性はその声に耳を傾け何が出来るのかを考えるべきです。
ジェンダーについて、女性について考えるきっかけになるのが「国際女性デー」であり、著書「82年生まれ、キム・ジヨン」なのです。
総合職・エリア総合職・一般職とは?その区分、必要?
*今回の概要*
・総合職 / エリア総合職 / 一般職の違い
・そもそも、その区分必要?
・家庭と仕事を両立しやすい企業の見分け方
目次
- 1.コースの違い
- 2.結婚後も働きたいけど、長時間労働は厳しい!
- 3.女性が結婚後に退職。それ、本当に本人の意思?
- 4.コース分け、本当に必要?
- 5.制度のある世の中で自分にできること
- 6.働き方を考える上で参考になる本
1.コースの違い
「総合職 / 一般職」というコース分けを耳にしたことがある方も多いと思います。
これは、大企業を中心に採用されています。
(中小企業は、簡単に言えば「全員総合職」のような感じです。)
最近では「エリア総合職」という、総合職と一般職のいいとこ取りをしたようなコースを採用している会社もあります。
それぞれの違いは、以下の通りです。
○総合職
・男性中心
・転勤・長時間労働あり
・幅広い業務
・管理職レベルまで昇進可能
○エリア総合職
・転勤のない総合職
(正確には、引っ越しを伴わない程度の距離での転勤のみ)
○一般職
・女性中心
・転勤・長時間労働なし
・定型業務中心
・管理職レベルまで昇進不可能
となります。
企業によって分け方は異なりますが、大体この3コースに分けられます。
2.結婚後も働きたいけど、長時間労働は厳しい!
このコース分けは、特に育児と仕事を両立したい女性に影響があります。
例を挙げてみます。
-面接にて-
会社「総合職か一般職で迷っている、と。…一般職でいいだろ。女性は結婚したら辞めるんだろ。定年まで働く人材を効率よく育成したいんだ。」
女性「女性で一括りにしないでください。私は働き続けます。」
会社「ならば総合職でエントリーすればいいだろ。」
女性「総合職は長時間労働ですよね?育児をしながら長時間働くことは、体力的にも時間的にも厳しいです。」
会社「総合職なら男性と同じ条件で働いてもらわないと困るな。それが無理なら一般職にしなさい。」
女性「一般職では管理職になれませんよね?私は男性と同じようにキャリアを積みたいんです。」
会社「わがまま言うな!そんなやついらん!!」(バン!!とここで机を叩く)
…となるわけです。(実際にこんな面接官がいたら、逃げていいレベルで危険な会社ですね)
3.女性が結婚後に退職。それ、本当に本人の意思?
確かに、女性でも総合職にエントリーできます。しかし、出産後も今まで同様バリバリ働くことは、体力的にも時間的にも厳しいです。
そこで、会社には育休制度や短時間勤務制度があります。
これで、結婚後も働き続けられます。しかし、実はこの時点で「男性と同じようにキャリアを積む」という道からは外されてしまいます。
なぜなら、会社は休まず長時間働く人を求めているからです。
会社側は、育休で1年休み、その後も早く帰るような人は正直使えないと思っています。
そのため、総合職で採用されたとしても、キャリアを積めず給与も上がらないため、会社を辞めてしまう女性が多くいます。一般職なら尚更です。
こんな環境では、結婚後働き続けることも、キャリアを積むこともできません。
そして会社側は、
「あんなに昇進したいって言ったのに、やっぱり女性は辞めちゃうじゃん」となるため、
よっぽど優秀で将来有望でない限り、総合職に女性を採用しません。
そもそも女性は総合職で採用されにくい、ということです。
この一連の流れを、「統計的差別」といいます。
言葉の通り、統計的に(一般的に)○○だ、と一括りにして見ることです。
一人一人の意思を確かめるより簡単で、対策も考えやすいからです。
例えば、
会社「女性は結婚後退職するだろう」(仮定)
→昇進させない、年齢が上がっても給与を上げないなどの待遇差別
→女性は不満が募り、結婚を機に退職する
→会社「ほら、退職するでしょ。」
となる、ということです。これでは、会社に退職させられたも同然です。
4.コース分け、本当に必要?
今更ですが、このコース分けのことを「コース別雇用管理制度」と言います。
この制度ができた背景について説明します。
日本は長らく、「男性は責任のある多様な仕事、女性は補助的な仕事」といったように性別で募集する仕事を分けていました。
しかし、国連女性差別撤廃条約という国際的な条約を批准するために、男女雇用機会均等法がつくられました。
それにより、性別で仕事を分けることができなくなりました。
そこで、「コース別雇用管理制度」をつくり、性別ではなく仕事内容や待遇の差でコースを分けました。
性別で仕事を分けることをやめたものの、総合職は長時間労働など、家庭と仕事を両立できない仕組みになっています。
そのため、女性は家庭と仕事を両立できる一般職を選びます。
つまり、制度上は性別では分けていないけれど、結果的に性別で分かれてしまうことなります。
男女雇用機会均等法はあくまで「機会均等」であり、「平等」ではありません。
確かに、女性でも男性と同じコースを選べるという点では、「機会の平等」は与えられています。
しかし、女性には育児との両立や育休などにより、「労働時間が短い」「育休で1年のブランクがある」などといったことが起こります。
それを考慮しないで、「男性の方が仕事をしている」と優遇することは不利であり、「結果の平等」が達成されているとはいえません。
制度ができた背景をまとめると、
恥をかかないよう、国際的な条約に批准したい
→男女平等を証明する法律が必要
→男女雇用機会均等法をつくる
→しかし、本当は不都合(すぐ辞める女性を男性と同じように扱うのは効率が悪い)
→コース別雇用管理制度をつくり、以前のような雇用制度を維持する
ということになります。
そもそも、「女性は家庭、男性は仕事」という風潮によりこの問題が起こっています。
しかし、働き続けたい女性、働き続けなければ家計が厳しい女性ももちろんいます。
また、総合職と一般職に明確な業務の差はなく、同じ仕事をしているのに一般職の方が賃金が低い、というケースもあります。
つまり、「業務内容は同じだけど、コースが違うから賃金も違っていいよね」ということ。
賃金の安い一般職に女性を多く採用し、安く使っているのです。
近年、エリア総合職など新しいコースができてきていますが、それではきりがありません。
コース自体を廃止して、育休や時短勤務などに柔軟に対応することが、男女平等につながると考えます。
もちろんプライベート重視の方もいます。大切なのは、働き方を自分で選択できることです。
そのために、
・転勤は強制ではなくボーナス制(転勤をしたらボーナスがもらえる)
・男性が育休を取得し、女性が働く
など、様々な方法が考えられるはずです。
5.制度のある世の中で自分にできること
いかにしてコースに囚われずに自分の望む働き方をするか、を考えなければなりません。
1番簡単な方法は、コース分けをしていない企業に就職することです。
「でもそれって総合職ってことでしょ?転勤とか長時間労働とかはちょっと…」
と思う方もいるかもしれません。
そこで重視すべきポイントが、福利厚生と会社の雰囲気です。
・育休復帰後も取り残されないように、研修が設けられているか
・育休取得後に辞めている人はどのくらいいるのか
・管理職の女性はどのくらいいるのか
・育休や女性のキャリア形成に前向きな雰囲気があるか
など、働きやすい環境かどうかを見極めることが大切です。
必ずしも、転勤や長時間労働など、総合職の特徴が当てはまるとは限りませし、柔軟に対応してもらえる会社も多くあります。
もちろん、このポイントはコース分けをしている会社でも重視すべきです。
また、厚生労働省からの認定を受けているか、という分かりやすい方法で見極めることもできます。
それが、
「くるみん / プラチナくるみん」
「女性活躍推進法に基づく優良企業の認定」
です。
○くるみん / プラチナくるみん
子育てサポートが充実している企業が認定を受けることができます。
特に「プラチナくるみん」は認定基準が厳しいため、この認証を受けた企業は非常にサポートが充実しています。
↓こちらの厚生労働省のサイトで企業が検索できます。
○女性活躍推進法に基づく優良企業の認定
女性の活躍に関する取り組みが充実している企業(女性管理職の割合が多い、残業が少ないなど)が、認定を受けることができます。
↓各企業の育休取得率や、女性管理職の割合などが検索できます。
http://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/sp/
↓2つの認定の他に、女性が働きやすい企業について詳しく見ることができます。
就活生や転職希望の人は、これらのサイトを見て企業研究をしてみてはいかがでしょうか。
このような取り組みをしているということは、人を尊重している働きやすい企業でもあるため、男性の方もぜひ参考にしてください。
6.働き方を考える上で参考になる本
最後に、日本の雇用制度や、職場でのジェンダー問題を考える上で参考になる本をご紹介します。
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「82年生まれ、キム・ジヨン」は、女性が直面する様々なジェンダー問題がギュッと凝縮されています。物語のように書かれていて読みやすいのでおすすめです!
こちらの記事もぜひご覧ください。
たくさんあって絞り切れないので、この中から気になる本を見つけてみてください!
【ホテル宿泊記】ホテルヒラリーズ赤坂
ホテルヒラリーズ赤坂に宿泊してきました!
実はここ、5000円以下のビジネスホテルの中で、私が一番好きなホテルです。
和モダンな雰囲気の素敵なホテルです!
(参考:ホテルヒラリーズ赤坂(旧ホテルフェリーチェ赤坂) 宿泊予約【楽天トラベル】)
目次
1.ホテル情報
- 料金
1名利用時…2960円〜
2名利用時…1480円〜
- アクセス
赤坂駅から徒歩2分
- コンビニ
ファミリーマートまで徒歩2分
- チェックイン
チェックイン…15時
チェックアウト…11時
赤坂駅には赤坂サカスなどのショッピングモールもあるので、利便性は非常に良いです。
土地柄もありとても静かなので、騒音を気にする事なくゆっくりくつろげました。
2.客室
このホテルで一番感動したのが客室。和モダンな雰囲気で、木の温もりが感じられる素敵な部屋です。
これがビジネスホテルですよ…。
しかも一人一泊4500円…。
さらにこの部屋には、狭さを感じさせない一工夫がされています。それがこちら。
なんと、扉と部屋の上部が鏡になっているんです!
これのおかげで、ビジネスホテルの弱点である「狭さ」を感じさせない部屋になっています。
9階の最上階には大浴場があり、男性浴場のみサウナも完備されています。
こちらも部屋同様、木の温もりが感じられる素敵な空間で落ち着けます。
3.まとめ
ビジネスホテルには珍しい、和モダンな空間が素敵なホテルです。
赤坂という好立地、一泊5000円以下、綺麗な客室。
こんな素敵なビジネスホテルはあまり無いのでは…?